仕事柄,いろんなご家族・ご家庭を見る。
円満なところ,不仲なところ,理解できないが家族間では通じているところ。
それはもう【家】それぞれ。
で,最近お話しした父子家庭の家族。
世の中,母子家庭は何かと取り上げられるけど,父子家庭は?
なんで母子家庭ばっかりなん?
父子家庭でも援助が必要な人は山ほどいる。
大体,妻の方が収入が高いところなんてもう珍しくないでしょ。
少なくともウチは妻になにかあれば,途端に生計は成り立たん。
私の給与では私一人がやっとのレベル。
だからこそ最近お会いした父子家庭のお父さんの話は苦しかった。
他人事とは思えなかった。
30歳も下の私の前で涙ながら「自分が不甲斐ないばかりに」と。
いや,奥さんを不慮の事故で突然亡くし,当時まだ未就学児だった子供を20年以上懸命に育ててきたじゃん。
確かに子供は少し社会には馴染めない感じに育ったかもしれん。
だけど,それを「自分が不甲斐ないばかりに」と思う必要はないだろ。
おそらく当時は今より更に父子家庭は触れられてこなかっただろう。
だから支援もほぼ無かっただろう。
当時から収入が厳しい父子家庭は一定数いたはず。
けどそこには目を向けず,或いは向けていたかもしれないが,母子家庭に比べて割合が少なかった情勢もあって,支援の情報すら無いままで頑張っていたんだと思う。
別に母子家庭を優遇している。とかではない。
父子家庭にも焦点を当てろ。と言っている。
これはおそらく日本の司法のせいでもある。
離婚調停等で親権の争いになった際の前提が【親権者 母】。
ちょっと前に話題になったドラマでも99%は母が親権者となるってセリフがあったらしいけど,実際は90%くらい。
つまり10%位は父が親権者となれる。
けど,これも最近になってきてからのことだし,むしろ,父親の方が収入が高いのが当たり前の時代から【親権者 母】をbetterとして,母子家庭を生み出してきた司法に罪はないのか。
でもおそらくこの前提が変わることはない。
むしろ,より強固になる。
理由は簡単。夫より稼ぐ妻が多くなってきたから。
つまり,いわゆる【母性信仰】に近いものに【経済的な優位性】が加わる。
これはもう父親は勝てん。
こうなると,また父子家庭に焦点があたらないままになる。
それだとダメなんだよ。
父子家庭にも焦点をあてるには,司法がもっと【親権者 父】を認めないと。
経済的な優位性はなくても,産みの苦しみを体験してなくても,父親だって子育てできるんだって。
頼むから父子家庭にももう少し優しい社会であってくれ。